MASUNAGA 1905

Osaka , Japan / 2026

             

大阪心斎橋駅直結の新たなランドマークとして誕生したクオーツ心斎橋への出店プロジェクト。

増永眼鏡は約120年前、雪深い福井の地で冬場の農家の副業として眼鏡フレーム製造を始めました。以来、日本の眼鏡産業の礎を築き、技術と品質を磨き続けながら今なお日本を代表する眼鏡ブランドとしてその歴史を紡いでいます。職人たちが積み重ねてきた歴史と技術、そして作り手の想いを未来へ継承していく場となる様、その長い歴史を紐解きながら空間を構築しました。

眼鏡の品質は実際に掛けた時にはじめて分かると言われています。幾度も磨き上げられ 細やかな調整を重ねることで生まれるやさしい掛け心地、その丁寧な手仕事の様に空間にも削り磨かれたディテールを積み重ね、静謐で上質な空間へと昇華させることを目指しました。かつて、その技術と品質が認められ昭和天皇へ献上された増永眼鏡の繊細な技術とディティールをオマージュし “歴史・技術・品質の継承” の象徴として区画内を旋回するように空間へ落とし込んでいます。

約120年前の創業当時、最初に招かれた職人が宮大工であったという歴史的背景を踏まえ宮大工の経歴を持つ木工作家・北田浩次郎氏へ福井の自然と眼鏡産業の関係性を重ね合わせた鉄媒染による製作を依頼しました。また福井で採掘されていた笏谷石は あえて青みの少ない “黒” と呼ばれる部材を採用し空間との調和を図っています。ブランドカラーを纏った什器とそれらの素材が増永眼鏡の今日までの歩みのように、それぞれとのバランスを保ちながら空間を構成しています。

120年以上ものあいだ受け継がれてきた、長きにわたる時間の積層を 静かに未来へとつないでいく空間となることを願っています。

project management / J.front prime space
design / MSS
construction / J.front prime space
lighting / J.front prime space
original wood / kojiro kitada
shakudani stone / murakami marble co.,ltd.
photo / daisuke shima